婚約指輪や結婚指輪のデザインは、アームの形、石のセッティング方法、メレダイヤの有無、地金の素材など、数々の要素が組み合わさって出来上がります。
ちょっとしたことで指輪の印象が大きく変わるので、色々と研究が必要です。
ここでは「表面加工」についてまとめてみました。最近のジュエリーブランドでは、リングのデザインを選んだ後に、地金の加工を選べるようになっているところも少なくありません。お二人の好みのリングに仕上げるためにも、色々な加工方法を見てみましょう。
ミラー(鏡面)仕上げ
地金そのものの輝きを活かした、最もポピュラーな仕上げ。表面をピカピカに磨き上げることで、金属自体の光沢のある輝きが出ます。
メタリック仕上げ、ポリッシュ仕上げ、とも呼ばれます。
ホーニング仕上げ(マット加工)
研磨剤を吹き付け地金の表面に細かい傷をつけることで、金属特有のつやを抑える加工です。柔らかい輝きになり、しっとりと落ち着いた質感を出します。多くのジュエリーブランドが取り入れている加工です。マット加工を選択できるようになっているブランドも多いようです。
ヘアライン加工
直線的な細かい線を一定方向に施す加工です。マット加工より輝きがあり、クールでシャープな印象で男性にも人気の加工です。こちらも多くのブランドで取り入れている加工の一つです。
ハンマー仕上げ(槌目)
文字通りハンマーで地金の表面をたたいて槌目をつける加工で、職人の技が光る加工の一つです。一つとして同じリングができないことから、結婚指輪などに選ぶ人も少なくないようです。たたくハンマーの種類でもだいぶ印象が変わります。
平面や丸面でたたいた槌目は、ぬくもりのあるラフなテクスチャーになります。デザインによってはアンティークな印象にもなりますし、ワイルドな仕上がりになることも。
線状のハンマーでたたいた槌目は、樹木の表面のような、涼しげな仕上がりに。
サティーン仕上げ・サテン仕上げ
極細の線を交差させるように無数に入れた加工です。サテンのように上質な柔らかい光沢になります。
ダイヤモンドダスト仕上げ、スターリー仕上げ
表面をダイヤモンドで細かく彫るように加工することで、無数の断面を作ります。光を乱反射させるため、きらきらと輝く仕上がりになります。
随分いろいろな加工方法がありますね。同じデザインでも、地金の表面加工を変えるだけで、別のリングのようになりますので、是非見比べてみてください。
ミラー仕上げとマット加工など、2種類の異なる加工を一つのリングに施して、それ自体をデザインにしたリングも多数あります。
婚約指輪よりも地金の存在感が大きい結婚指輪のほうが、特に表面加工の効果が大きく感じられると思います。結婚指輪を選ぶ際には、地金の表面仕上げ・加工についても検討してみてください。